キレイとキタナイ|悠
2023年7月6日(木)~23日(日) [木・金・土]12:00ー19:00 [日]12:00ー17:00 ※月・火・水 休廊 モチーフは〝花〟。「美」とは何かを追い求め、切り絵と絹糸を使って刺繍という手段を使って表現する作家・悠(Haruka)の個展「キレイとキタナイ」を開催します。手仕事である刺繍、糸は自分自身の思考でもあると悠は言う。針と糸を通し、思考を動かす。人間は「自然」をお手本としながら「非自然(自然にしたがわずに存在するさま)」を追い求める。本当の美しさを求め、人の手で作られた美しさを問う。彼女の作品である刺繍は(縫い終わりの)糸留めをしていない。仕上げの糸はうねるように流れる。「何故、それを美しいと思うのか」自身に問いている、答えはまだ見つけられていない。だから、作品も未完成と言う。「キレイとキタナイ」を彼女の眼差しを問いながら一緒に鑑賞して欲しい。是非、ご高覧ください。 ーーーーーーーーーーーー “ Fair is Foul, and Foul is Fair ” 「きれいは穢い、穢いはきれい」 (『マクベス』新潮文庫 ウィリアム・シェイクスピア/著 福田恆存/訳) シェイクスピア『マクベス』に出てくる魔女のセリフ。 この言葉のオクシモロン(矛盾語法)は、私の作品の核としているものである。 人は日常生活への彩りとして「キレイなもの」を身近に置く。 その「キレイ」とする価値観のひとつに、人にとって美しいものの原点である「自然なもの」があり、その中に〝花卉〟が含まれる。けれど、花屋に並ぶ〝花卉〟は人の手によって品種改良をされた人工物であり「非自然なもの」だ。 品種改良された〝花卉〟とは、人にとって都合のよい「キレイ」に作りあげたものと言ってもよいだろう。人は「自然」に憧れお手本にして「非自然」を行う。 自然の花を非自然に形を変え、生物として不自然にしておきながらもあたかも自然なもののように扱い「キレイ」と表現する。だが、非自然に形を変えた花が枯れ、自然の流れに従いその姿を歪めていく様は何と言えるのだろう。 キレイ? キタナイ? 私にとってその様はまさに「きれいは穢い、穢いはきれい」なのだ。 2023年 悠[Haruka] ※花卉:観賞用として用いられる植物 ーーーーーーーーーーーー ◉悠(Haruka) 1978年熊本県生まれ。2001年会社員をしながら独学で切り絵制作を始める。切り絵と刺繍で表現する美術家。2012年より、主にラディウム レントゲンヴェルケ(馬喰町)から作品発表。受賞歴に「SICF13」南条史生賞(2013)『月刊美術』美術新人賞 奨励賞(2013)など。近年の活動として「ジャンルレス工芸展」国立工芸館(金沢、2022)日本橋三越本店コンテンポラリーギャラリー企画展「ON KO CHI SHIN ~功術 dept.rmx.」(2022)などがある。 Haruka Exhibition 2023.7.6(thu)-23(sun) Open:Thu-Sat 12:00-19:00 Sun 12:00-17:00 Close:Mon-Wed