Floral Intimacy
Edward Hall Exhibition
2024/4/4(thu)〜14(sun)

2024年4月4日(木)〜14日(日)   [木・金・土]12:00-19:00  [日]12:00-17:00 ※月・火・水 休廊 1970年後半、エドワード・ホールはボストンにて写真家としての活動をスタート。その後、ニューヨークに移りキャリアを積み商業(広告)的な活動も始める。2003年、日本に移住。日本の美学と日本各地で過ごす時間の影響を受けながら、写真家としての旅を続けている。 彼は花を撮ることは人を撮ることとに似ている言う。時間の経過で被写体の表情は変化する。古典的題材でもある花の静物をポートレートの一形態としてアプローチする。 細やかな洞察力で撮影した花(静物)14点に人物ポートレート(プライベート作品・非売品)を2点加え展示。今回、日本では初個展となる「Floral Intimacy」を開催する。是非、ご高覧ください。 ※プリントは全てPIEZOGRAPHYです。 PIEZOGRAPHY:アメリカで開発されたモノクロ専用インクを特別なプリンタドライバで出力する最高級のモノクロプリントになります。従来の3段階グレーインクにカラーインクを混ぜて出力する方法ではなく、7段階のグレーインクだけを使用してプリントするため、非常に高いシャープネスと豊かなグラデーションを実現。描写性の高いシャドウとハイライト、そして優れた保存性があります。 ーーーーーーーーーー Artist Statement 日本の生け花、ルネサンス期のオランダの静物画、フランスの印象派の野外絵画など多くの文化には、花にまつわる芸術の長い歴史がある。いずれの場合も、アーティストは自然への敬意と作品を融合させている。 何らかの形で、芸術は私たち人間の存在における自然や環境の影響に作用する。アイデアがどこから来るかは重要ではなく、重要なのはアーティストがなぜそれを追求することを選んだかである。アーティストが伝えたいと思う感情は、アーティスト自身の人間性と彼らを取り巻く世界との架け橋にもなる。 大理石の彫刻やフレスコ画、水彩画のように一度描いてしまうと、油絵や粘土のように気持ちを切り替えて描き直すことができない形態もある。これは花材を撮影する際にも言えることで、2時間後に撮り直せば、被写体の表情は変わってしまう。その結果、私は常に前進している。もちろん、新しいことに挑戦することはできるが、後戻りはできない。 私にとって、花を撮ることは人を撮ることに似ている。被写体にまったく同じものはなく、それぞれが真っ白なキャンバスや空のフレームを背に自分自身の自己像を提示する。その出発点から、私は被写体の個性や独自性を調査し、見る人が自分の記憶と結びついたり、新たな記憶が生まれたり、自分自身について新たな発見をしたりするような、ある種の感情を伝える方法をとらなければならない。そのプロセスにおいて、形、質感、光と影が重要な役割を果たすのは明らかだ。私は常に花の静物をポートレートの一形態としてアプローチしようとしてきた。 2024年 エドワード・ホール Many cultures have long histories of floral related art, for example, Japanese Ikebana, the Dutch still life paintings of the Renaissance or the plein-air work of the French impressionists. In each case, the artist is combining…

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Urban Forest
都市の森|志鎌猛写真展
2024/3/1(fri)〜17(sun)

2024年3月1日(金)〜17日(日)   [木・金・土]12:00-19:00  [日]12:00-17:00 ※月・火・水 休廊 プラチナ・パラジウム・プリント技法と、日本伝統の雁皮紙を用いて、すべて自身の手により制作している写真家・志鎌猛の「Urban Forest(都市の森)」写真展を開催します。森に呼びかけられているような、手招きされているような、不思議な感覚で森を訪ね歩き撮影していた志鎌は、やがて日常の近くにある〝都市の森〟にも惹きつけられていく。ニューヨークのセントラルパーク、パリのリュクサンブール公園、香港のヴィクトリア・ピーク、そして、私たちにとって身近な東京・井の頭公園へと……。志鎌の(プラチナプリント)表現は幻想的であり〝都市〟と〝自然(森)〟という一種相反する異空間にいざなう。都市に居ながらにしても森の静かな息吹が聞こえるだろう。是非、この機会にご高覧ください。 ※プラチナ・パラジウム・プリントは、1873年にイギリスで発明された「光の芸術」とも呼ばれるプリント技法。連続階調と経年変化に耐えうるプリントの安定性から、その美しさは半永久的に保たれる「永遠のプリント」と言われています。 ーーーーーーーーーーーー Artist Statement  私は、森のなにげないたたずまいに強く惹かれて写真を撮り続けてきた。  森に呼びかけられているような、手招きされているような、不思議な感覚。森との交歓、とでもいえばいいのか。なにかそういうものに導かれながら、日本の各地へ、より遠く海外へも、手つかずの森を訪ね歩いた。そうしている間に、日本人としての遺伝子に潜んでいた自然への憧憬、畏怖の念が覚醒していったのかもしれない。  やがて私は、人の日常の近くにある〝都市の森〟にも惹きつけられていく自分に気づく。きっかけになったのはニューヨーク・マンハッタン、まさにコンクリートジャングルの真ん中に拡がるセントラルパークだった。それは人工的に造られた自然でありながら、都市という環境にあってもなお、人間の、自然と共に生きたいという根強い欲求の名残りを垣間見せていた。以来、私はパリ、ミラノ、バルセロナ、香港、東京…いろいろな都市の一隅で、森の奥深くへ分け入る時と同様に、樹々が語りかけてくれる声に耳をそばだてる。 2024年 志鎌猛 ーーーーーーーーーーーー ◉志鎌猛(Takeshi Shikama) 1948年東京生まれ。写真家。2002年より日本各地の深い森に分け入り、目に見えている風景、その奥にある目に見えない世界を写真に焼きつけたいと〝森の襞〟シリーズの制作に取り組む。2007年、写真集『森の襞 Silent Respiration of Forests』を出版。活動の場をニューヨーク、サン・フランシスコ、ヒューストン、サンタ・フェなど北米各地、パリ、ミラノ、ブリュッセル、バルセロナ、アムステルダム、ロンドンなどヨーロッパ各地、さらに香港、台湾などアジアへと広げ、旅を重ねる中から着想し〝都市の森 Urban Forest〟〝美の谷 Valley of Beauty〟〝秘密の庭園 Il Giardino Segreto〟などを制作する。「じっと見る。そして、一度だけシャッターをきる。」という一貫してきた姿勢は〝観照 Contemplation〟シリーズに昇華。2022年、写真集『観照 Contemplations』がフランス(Éditions Photosynthèses, Arles France)にて出版される。フランス国立図書館、サンディエゴ写…

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Language of shape Vol.2
形の言葉 Vol.2 | 足立涼子
2024/2/1(thu)〜18(sun)

2024年2月1日(木)〜18(日) [木・金・土]12:00ー19:00 [日]12:00ー17:00 ※月・火・水 休廊 協力:紙すき工房&工藤晢彦 iwao galleryの2024年スタートは、ブックアーティスト・足立涼子を迎えて「形の言葉vol.2」展になる。個展「形の言葉」(2022 Gallery Saoh & Tomos/東京)に続く第2弾である。2020年、足立は自ら作った結晶の形を抽出し、文字として刷られた言葉が綴られるブックアート『形の言葉』を制作した。『形の言葉』に書かれた詩に「形は存在であり/存在は言葉/そして/言葉が心ではたらくなら/言葉の解釈は/他者と共にある」という部分がある。地球上の多様な存在について、その存在の放つ言葉について“形の文字”とともに考えて欲しいと彼女は言う。世界には読まれるべき言葉、まだ読まれていない無数の言葉が存在する。言葉は難解だ、が、時として言葉として見えてくる形がある。脳内にある〝形の文字〟が踊るように動き出す美しい作品(本)を視覚や触覚(ページをめくる音、紙の匂い)、全ての感覚で愉しんで欲しい。 ※ブックアート(Book Art):アートブックは〝美術に関する本全般〟を示しているのに対して、ブックアートは本の形式をとった美術作品のこと。アーティストブックとも言う。 ーーーーーーーーーーーー Statement 四方形のシャーレに溶液を結晶させる。あらわれた形をくりかえし見ていると、符号か文字のように見えてきて、頭の中の混沌とした思考が言葉になる過程と結晶化のイメージが重なった。 寺田寅彦は浅間山で噴火した岩石をみてこう言った。 〝一つ一つが貴重なロゼッタストーンである。その表面と内部にはおそらく数百ページにも印刷し切れないだけの「記録」が包蔵されている〟 (「寺田寅彦随筆集 第五巻」岩波文庫『小浅間』より) 世界は届かぬ言葉の記録で充ちている。読むことは叶わずとも、その言葉の存在を綴じることならできるだろうか。そう考えて『形の言葉』という本を作ることにした。この本は中谷宇吉郎と寺田寅彦に導かれて書いた断章と、結晶パターンをモチーフにしている。 2024年 足立涼子 ーーーーーーーーーーーー ◉足立涼子[Ryoko Adachi] 1968年東京生まれ。多摩美術大学大学院修士課程修了。生命現象、自然現象をもとにしたインスタレーション制作を経て、本の作品を作りはじめる。ドイツのブック・アーティストたちに刺激され渡独、2003年ブラウンシュバイク美術大学に留学(ポーラ美術振興財団より助成)。フランクフルト・ブックフェア出展の他、国内外の展覧会に出品。ドイツ国立図書館、ボストン・アセネウム、クリングスポワー・ミュージアムなどパブリックコレクション多数。現在は東京を拠点にマイ・オウン・ペースの活動を続ける。個展「形の言葉」(2022 Gallery Saoh & Tomos/東京)グループ展「絵や彫刻のように〝本〟を楽しむこと、イメージや思考を象るように。」ブックアート研究所 (2021 Gallery Saoh & Tomos/東京)、Reclamation: Artist’s Books on the Environment Exhibition(2021 San Francisco Center for the Book, San Francisco Public Library/サンフランシスコ)などがある。 https://www.ada-libr…

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Inle Lake, Myanmar | Hitoshi Kameyama
寄付金についてのご報告

【寄付金についてのご報告】 「Inle Lake, Myanmar」亀山仁写真展(2023/11/2〜19)にてポストカードをご購入いただいた代金(500円)を子どもたちの教育支援としてタイ・ミャンマー国境の町にあるミャンマー避難民の移民学校ニュー・ブラッド・スクール(NBS)に寄付する旨をお伝えしておりました。 昨年末(2023/12/29)亀山氏がタイ・ミャンマー国境にある学校(NBS)に訪れ、支援金80,000円を直接届けてくださいました。また、学校(NBS)の校長先生から受け取りと感謝の書面を頂きましたことをご報告いたします。 あたたかいご支援をいただき、誠にありがとうございました。 ※支援金80,000円の内訳は、会期中販売したポストカード(500円)の全売上、写真集やプリントの売り上げの一部、ギャラリートークの登壇者である島岡みぐささんからのご寄付になります。 移民学校ニュー・ブラッド・スクール(NBS)についての詳細はこちら https://courrier.jp/news/archives/326381/

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Inle Lake, Myanmar | Hitoshi Kameyama
亀山仁写真展
2023/11/2(thu)〜19(sun)

2023年11月2日(木)〜19(日) [木・金・土]12:00ー19:00 [日]12:00ー17:00 ※月・火・水 休廊 ※11/11(土)ギャラリートークのため18:00で閉廊いたします。 ミャンマーを撮り続ける写真家・亀山仁の写真展を開催します。「当時、軍事政権下だった2005年12月に私はミャンマーを初めて訪れた。きっかけはシャン州にあるインレー湖でホテルを営む友人との出会いだった。そこに暮らす人たちや穏やかに時に厳しく激しく流れる時間、空間が私のライフワーク、ミャンマーの原点になっている。」と彼は言う。2020年から世界中が未曾有の災禍に突入するなか、2021年2月ミャンマーではクーデターが起きた。本展は、すべてを伝えることは容易ではない厳しく複雑な現状を胸におさめ、ミャンマーという国を考える入口になればと、アジアの原風景ともいえる本来の美しく穏やかなミャンマーの姿を展示します。是非、ご高覧ください。 ◉亀山仁(Hitoshi Kameyama)  1966 年東京生まれ。写真家。 2005年からライフワークでもあるミャンマーを撮り始める。2020年まで毎年のように撮影に通うがクーデターのため撮影を中断。現在は日本国内でミャンマーの現状を伝える講演や支援を行なっている。写真集『Myanmar2005-2017』『Thanaka』(冬青社)。「日常のミャンマー(1-3)」(2021-23年 ギャラリー冬青)「ミャンマーの人々と戦禍の記憶」(2022年 ポートレートギャラリー)など、写真展も多数開催。ミャンマーの平和を創る会共同代表、一般社団法人ミャンマー祭り理事、NPO法人ミャンマー国際支援機構(MIAO)会員、日本写真協会会員。 https://hitoshi-kameyama.com Hitoshi Kameyama Exhibition Inle Lake, Myanmar 2023.11.2(thu)-19(sun) Open:Thu-Sat 12:00-19:00 Sun 12:00-17:00 Close:Mon-Wed

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resonanzkörper | Keisuke Matsuura
共鳴体 | 松浦圭祐展
2023/10/12(thu)〜22(sun)

2023年10月12日(木)〜22(日) [木・金・土]12:00ー19:00 [日]12:00ー17:00 ※月・火・水 休廊 ※10/14(土)ギャラリートークのため18:00で閉廊いたします。 デュッセルドルフを拠点にヨーロッパで活躍する現代美術家・松浦圭祐の展覧会を開催します。松浦の代表作《jiba》シリーズの原点や《resonance》プロトタイプなど、日本国内では未発表の作品が並びます。是非この機会にご高覧ください。 ◉松浦 圭祐(Keisuke Matsuura)  現代美術家。1970年京都生まれ。多摩美術大学院修士課程修了後、デュッセルドルフ芸術アカデミー卒。デュッセルドルフを拠点に活躍。ヨーロッパ各地で展覧会、野外インスタレーションを展開させている。 http://www.keisuke-matsuura.com Keisuke Matsuura Exhibition resonanzkörper 2023.10.12(thu)-22(sun) Open:Thu-Sat 12:00-19:00 Sun 12:00-17:00 Close:Mon-Wed

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「光と影の間」張 静雯展

ching_wen_chang

2023年9月7日(木)〜24日(日) [木・金・土]12:00ー19:00 [日]12:00ー17:00 ※月・火・水 休廊 ここ数年、活躍が目覚ましい注目の作家・張 静雯(チャン・ジンウェン)の約12点で構成される「光と影の間」を開催いたします。留学生であった張は、コロナ禍の3年間を日本で(それも閉鎖的な空間と距離の中で)過ごしたことが作品の核となっている。張の作品には人は描かれていない。しかし、見えない記憶や感情が存在すると考える。墨独特の濃淡、朧げな光と影の間に存在する〝孤独〟と〝希望〟を感じ取って欲しい。是非、ご高覧ください。 ーーーーーーーーーーーー 作品は和紙 、墨 、水干 、岩絵具などの材料による無機質な風景を描写し 、現代人の「孤独 」 、「記憶」、「コロナの不安感」などの感情を伝えたいと思っている。現在、窓と部屋をモチーフにして作品を制作している。 窓の作品を描き始めたきっかけは、三木清という作家の言葉に出会ってからである。その言葉は「孤独は山になく、街にある。一人の人間にあるのではなく、大勢の人間の〝間〟にあるのである。」だった。私はそこからインスピレーションを得て、東京のマンションと窓をモチーフを用い、作品を制作した。窓は私にとって人々の出口と入口を表すものである 。そのひとつひとつの窓にストーリがあり、それぞれには記憶、孤独 、不安の感情が集まる場所である。そして毎日、見慣れた景色、教室や部屋の隅などの場所では、人がいなくても、見えない記憶や感情が存在していると考えている。さらに、空間の閉鎖的な構図を利用して、物語が溢れるような場面を作りたいと思っている。 私の作品の中の光は重要な存在であり、それは希望の意味も謳っている。作品は見る人に孤独を感じさせるが、しかし中心の光により、最後は希望を感じってもらいたいと思うのだ。作品は孤独感と希望を同時に伝えている。人間は一人でうまれて、一人で死んでいく。人間常に孤独と隣り合わせで生きている。それを表現するため、画の中に冷たく、孤独感を表現する色彩と、小さな光を表現した。一方、光がある所には、影がある。作品の画面では人物を描写しない、窓の中からうかがい知る人の暮らしを表す品々、生活用品やカーテンなどにより、人の存在を感じるように描いている。墨と顔料の濃淡を利用し、窓内の人物、生活用品の「虚」と「実」を表現するとともに、室内の空間性を暗示している。 2023年 張 静雯 ーーーーーーーーーーーー ◉張 静雯(チャン・ジンウェン) @ching_wen_chang 1979年台湾、台中生まれ。2003年国立台湾芸術大学美術学科水墨画専攻卒業。2023年多摩美術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻修了、博士号取得。主な展示に、2021年「東アジアのなかへ―収斂と拡散 vol.3 容器」(柴田悦子画廊/東京)、2022年「記憶容器」SICF22EXHIBITION部門 グランプリアーティスト展(スパイラルガーデン/東京)、「伏線」(誠品画廊/台湾)、2023年「空白と距離」(KYOBASHI ART ROOM/東京)などがある。 CHANG Ching-Wen Exhibition Between Light and Shadow 2023.9.7(thu)-24(sun) Open:Thu-Sat 12:00-19:00 Sun 12:00-17:00 Close:Mon-Wed

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キレイとキタナイ|悠

2023年7月6日(木)~23日(日) [木・金・土]12:00ー19:00 [日]12:00ー17:00 ※月・火・水 休廊 モチーフは〝花〟。「美」とは何かを追い求め、切り絵と絹糸を使って刺繍という手段を使って表現する作家・悠(Haruka)の個展「キレイとキタナイ」を開催します。手仕事である刺繍、糸は自分自身の思考でもあると悠は言う。針と糸を通し、思考を動かす。人間は「自然」をお手本としながら「非自然(自然にしたがわずに存在するさま)」を追い求める。本当の美しさを求め、人の手で作られた美しさを問う。彼女の作品である刺繍は(縫い終わりの)糸留めをしていない。仕上げの糸はうねるように流れる。「何故、それを美しいと思うのか」自身に問いている、答えはまだ見つけられていない。だから、作品も未完成と言う。「キレイとキタナイ」を彼女の眼差しを問いながら一緒に鑑賞して欲しい。是非、ご高覧ください。 ーーーーーーーーーーーー “ Fair is Foul, and Foul is Fair ” 「きれいは穢い、穢いはきれい」 (『マクベス』新潮文庫 ウィリアム・シェイクスピア/著 福田恆存/訳) シェイクスピア『マクベス』に出てくる魔女のセリフ。 この言葉のオクシモロン(矛盾語法)は、私の作品の核としているものである。 人は日常生活への彩りとして「キレイなもの」を身近に置く。 その「キレイ」とする価値観のひとつに、人にとって美しいものの原点である「自然なもの」があり、その中に〝花卉〟が含まれる。けれど、花屋に並ぶ〝花卉〟は人の手によって品種改良をされた人工物であり「非自然なもの」だ。 品種改良された〝花卉〟とは、人にとって都合のよい「キレイ」に作りあげたものと言ってもよいだろう。人は「自然」に憧れお手本にして「非自然」を行う。 自然の花を非自然に形を変え、生物として不自然にしておきながらもあたかも自然なもののように扱い「キレイ」と表現する。だが、非自然に形を変えた花が枯れ、自然の流れに従いその姿を歪めていく様は何と言えるのだろう。 キレイ? キタナイ? 私にとってその様はまさに「きれいは穢い、穢いはきれい」なのだ。 2023年 悠[Haruka] ※花卉:観賞用として用いられる植物 ーーーーーーーーーーーー ◉悠(Haruka) 1978年熊本県生まれ。2001年会社員をしながら独学で切り絵制作を始める。切り絵と刺繍で表現する美術家。2012年より、主にラディウム レントゲンヴェルケ(馬喰町)から作品発表。受賞歴に「SICF13」南条史生賞(2013)『月刊美術』美術新人賞 奨励賞(2013)など。近年の活動として「ジャンルレス工芸展」国立工芸館(金沢、2022)日本橋三越本店コンテンポラリーギャラリー企画展「ON KO CHI SHIN ~功術 dept.rmx.」(2022)などがある。 Haruka Exhibition 2023.7.6(thu)-23(sun) Open:Thu-Sat 12:00-19:00 Sun 12:00-17:00 Close:Mon-Wed

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アリゾナの白い太陽とともに生きる。
比嘉良治写真展

2023年6月8日(木)〜25日(日)  [木・金・土]12:00ー19:00 [日]12:00ー17:00 ※月・火・水 休廊 2020年3月から始まったニューヨーク州のロックダウン、NYの自宅を離れアリゾナへ。 本展では、240日間におよぶアリゾナでの日々、そのなかで撮り続けた作品を展示します。 コロナ禍、二度の延期を余儀なくされたが、このたび開催いたします。 ぜひご高覧ください。 ーーーーーーー 砂漠に人が住むようになったアリゾナ。 今ではスノーバードとあだ名がつくほどに避寒地として北の国から人がわたってくる。 僕もその一人だった。 寒期が過ぎてもコロナで戻れなくなる。 水銀が40度を上昇するなか、  地球の仲間たちの住処でぼくは小さな旅をしていた。 比嘉良治 ーーーーーーー ◉比嘉良治(ひがよしはる) 1938年、沖縄県名護市生まれ。写真家・画家・NYロングアイランド大学名誉教授。現在、N.Y.在住。1964年、多摩美術大学卒業後に渡米、アート・スチューデント・リーグにて学ぶ。コロンビア大学大学院修了修士号修得。制作活動と大学教育に従事。77年ロングアイランド大学に迎えられ、96年東洋人初の「最優秀教授賞」を受賞。アメリカ国内各地、日本各地、ヨーロッパ、アジアなどで個展、グループ展、国際展多数。ニューヨーク近代美術館、フィラデルフィア美術館その他アメリカ国内の主要美術館に作品収蔵及び数多くの受賞。「虹の暗箱」個展(2007年、ギャラリー冬青)、「時がこもる浜・沖縄」比嘉良治写真展(2017年、仙川・東京アートミュージアム)。著書「50歳から楽しむ・ニューヨーク散歩」(小学館)。 Yoshiharu HIGA Exhibition 2023.5.11(thu)-28(sun) Open:Thu-Sat 12:00-19:00 Sun 12:00-17:00 Close:Mon-Wed

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版画と彫刻
海老塚耕一展

2023年5月11日(木)〜28日(日)  [木・金・土]12:00ー19:00 [日]12:00ー17:00 ※月・火・水 休廊 現代美術家(彫刻家)である海老塚耕一は、版画家でもある。90年代以降は「境界・端・限界」への関心から「水」や「風」を主題に作品を発表。ドライポイント、メゾチントで制作した版画作品を中心に、本展のために作られた彫刻「水の隣人」(蔵前にて・桜新町にて)を展示いたします。是非、ご高覧下さい。 ◉海老塚耕一(えびづかこういち) 1951年、神奈川県横浜市生まれ。現代美術家、彫刻家、版画家。多摩美術大学美術学部建築科に進学、生涯の師として仰ぐ東野芳明と出会う。多摩美術大学において長年にわたり後進の育成に従事する。生涯学習プログラムでは「あそびじゅつ」の考案。2022年、多摩美術大学教授を退職。東京国立近代美術館、世田谷美術館、神奈川県立近代美術館等に収蔵。映像作家・鈴木志郎康によるドキュメンタリー映画『極私的にEBIZUKA』(2001年)、『山北作業所』(2002年)が撮られている。

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