「風をこぐ」橋本貴雄写真展
ギャラリートーク 椹木野衣×橋本貴雄

風をこぐ 橋本貴雄写真展

2022年11⽉11⽇(⾦) 19:10ー20:30(終了予定) アーティスト:橋本貴雄[写真家] ゲスト:椹木野衣[美術評論家] 美術評論家の椹木野衣氏を迎えてギャラリートークを開催いたします。 2021年度「写真新世紀」にて、審査員の椹木野衣氏は橋本貴雄『Kette』(佳作)を選出した。 ふたりのトークイベントは初めてとなる。 定員:15名(要予約)←満席になりました(11/4) 参加費:無料 ※お申込受付は先着順とし、定員になり次第締め切りとさせていただきます。 ※配信等の予定はありません。 【ご予約・お問い合わせ】 メールにてご予約ください。 ①お名前 ②お電話番号をご記入の上、件名「11/11ギャラリートーク」info@iwaogallery.jpまでお申し込みください。 ◉椹木野衣(さわらぎ・のい) 美術評論家。1962年埼玉県秩父市生まれ。京都で学生時代を過ごす。現在、多摩美術大学教授。主な著書に、初の評論集『シミュレーショニズム―ハウス・ミュージックと盗用芸術』(洋泉社、1991)をはじめ、『日本・現代・美術』(新潮社、1998)、『反アート入門』(幻冬舎、2010)、『アウトサイダー・アート入門』(幻冬舎新書、2015)、『後美術論』(美術出版社、2015、第25回吉田秀和賞受賞)、『震美術論』(美術出版社、2017、平成29年度[第68回]芸術選奨文部科学大臣賞)ほか多数。「日本ゼロ年」展(水戸芸術館、1999-2000)「平成美術:うたかたと瓦礫(デブリ)1989-2019」展(京都市京セラ美術館、2021)をはじめ、展覧会のキュレーションも多く手掛けている。 ◉橋本貴雄(はしもと・たかお) 1980年熊本県生まれ。2008年、ビジュアルアーツ大阪写真学科卒業。2011年からドイツに渡り、国内外で展示を行う。現在、ベルリン在住。『Kette』より2021年度 写真新世紀 佳作(椹木野衣氏選)。主な展示にグループ展「Unsichtbar」galerie Bild plus(ベルリン、2012年)、「Abjet」Galerie Emma-T(ベルリン、2015年)など。2021年9月写真集『風をこぐ』モ・クシュラ社より刊行。金柑画廊(2021,東京)を皮切りに『風をこぐ To Row the Wind』出版記念展が始まり、LIBRIS KOBACO(福岡、2021年)、スタンダードブックストア(大阪、2022年)、新宿ニコンサロン(東京、2022年)など巡回。

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風をこぐ
橋本貴雄写真展

風をこぐ 橋本貴雄写真展

2022年11月3日(木)~20日(日) 木・金・土・日 12:00ー19:00 (最終日17:00まで) ※月・火・水 休廊 私はフウのそばにいて、ただ見つめていたように写真が残った。 ベルリンを拠点に活動する写真家・橋本貴雄の写真集『風をこぐ』出版記念巡回展示の最終章のひとつとなる。橋本は2005年、交通事故に遭い後ろ脚が動かなくなってしまった野良犬・フウを保護した。本展では、出会いの地・福岡をはじめ大阪、東京、ベルリンで橋本とフウがともに過ごした12年間の記録、19点で構成される。フウとの日々を静かに受け止める橋本の優しい眼差しと柔らかな風景が目の前に浮上する。フウのいる風景が愛おしいと感じるだろう。 ーーーーーーーーーーーー フウは17年前、福岡の路上で轢かれていた。事故で後ろ脚は動かなくなっていて、手術を受けて、リハビリをかさねていくなかで、後ろ脚は少しづつ動き始めた。普通の犬のように歩くことは最後までできなかった。それでも、自力で立って元気に散歩ができるまでに回復した。晩年は自力で立つことはできなくなったけれど、車椅子で変わらず元気に散歩をつづけた。 写真を始めたのは、福岡でリハビリをかさねていくなかで、フウが少しずつ歩き始めた頃だった。フウを写している時、その写真で作品作りをするつもりはなかった。ただ、フウが歩いていく方へ歩いていき、流されるように、そこに現れてくるものを撮った。福岡、大阪、東京、ベルリンで、12年間、私はフウのそばにいて、ただ見つめていたように写真が残った。 後ろ半身を不安定に揺らしながら、前脚でバタバタと宙を漕ぐようにして立ち、全身を波立たせて走る。力の弱い後ろ半身が右に傾き、時々尻もちをついてはまたすぐに立ち上がる。いつも初めてのように目の前の景色にふれて、どんどん遠くへ駆けていった。 フウが亡くなって5年が過ぎた。私たちは、毎日の生活のなかへ絶えず投げだされながら、時間を置き去りにして、だんだん遠くへ離れていって、もといた場所も忘れてしまうのかもしれない。疲れて、ふとふり返って、見えなくなったことのさびしさに気づいて、置いてきたものをまた拾い集める。フウとの時間と残った写真がなかったら、いくつかの失くしていた感覚がいまの自分にはあったと思う。12年間、一緒にいれて幸せだった。 2022年10月 橋本貴雄 ◉橋本貴雄(はしもと・たかお) 1980年熊本県生まれ。2008年、ビジュアルアーツ大阪写真学科卒業。2011年からドイツに渡り、国内外で展示を行う。現在、ベルリン在住。『Kette』より2021年度 写真新世紀 佳作(椹木野衣氏選)。主な展示にグループ展「Unsichtbar」galerie Bild plus(ベルリン、2012年)、「Abjet」Galerie Emma-T(ベルリン、2015年)など。2021年9月写真集『風をこぐ』モ・クシュラ社より刊行。金柑画廊(2021,東京)を皮切りに『風をこぐ To Row the Wind』出版記念展が始まり、LIBRIS KOBACO(福岡、2021年)、スタンダードブックストア(大阪、2022年)、新宿ニコンサロン(東京、2022年)など巡回。 https://www.takaohashimoto.com ーーーーーーーーーーーー 写真集『風をこぐ』 To Row the Wind 橋本貴雄 装丁:岡本健 + 発行:モ・クシュラ 仕様:A5判・並製カバー帯あり・PUR 頁数:342ページ(写真262点、エッセイ2万字) 定価:3,520円(税込) 200…

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『いつもだれかが見ている』刊行記念
写真ワークショップ「見えるもの」と「かたるもの」

『いつもだれかが見ている』刊行記念 写真ワークショップ「見えるもの」と「かたるもの」

ーーーーーーーーーーーーー 日程:10月29日(土) 時間:14時〜(2時間程度) 場所:iwao gallery (東京都台東区蔵前2-1-27 2F) 講師:大竹昭子 参加費:A.3,500円(書籍代1870円を含む)/ B.2,000円(ワークショップのみ) 定員:15名 ※お申込受付は先着順とし、定員になり次第締め切りとさせていただきます。←満席になりました(10/18) ーーーーーーーーーーーーー 『いつもだれかが見ている』刊行記念 写真ワークショップ「見えるもの」と「かたるもの」 短篇小説集『いつもだれかが見ている』の刊行を記念して、作家の大竹昭子さんのワークショップを開催します。 この短篇集はオランダ在住のアーティスト、ヒロイ・クミ&写真家アネケ・ヒーマンさんが撮り下ろした14点の人物写真にインスパイアされた物語を、大竹さんが綴ったものです。物語を考えるきっかけは見ず知らずの人が写っている写真の中に潜んでおり、それをよく見て引きだしつつ執筆を進めていったと大竹さんは述べます。 今回のワークショップでは、参加者にご自身が撮った写真を事前に送っていただきます。当日はみんなでそれを眺めながら、その写真に何が見いだせるか、どんな状況を撮ったものなのか、またそこから滲みでる感情はなにかということを言葉にしていきます。写真表現にも精通する大竹さんとともに、楽しみながら写真とは何かを考える機会になれば幸いです。 【大竹昭子さんからのメッセージ】 スマホには写真がたくさん入っているけれど、見直す機会が減っていませんか。それらをみんなで見ながら言葉にしていくワークショップです。言葉にするにはじっくり見なければならず、すると見逃していたことがいっぱいあるのに気がつきます。写真に潜んでいる物語をみんなで探りだすのはとても面白く、これまでのワークショップも大いに盛り上がりました。参加者には事前に<小さくてもいいので人物が写っている写真>を1点送っていただきます。高級カメラである必要なし。スマホで充分。みんなに見せたい、面白い写真を待ってます! ※本ワークショップは2022年8月に八戸市立美術館で始まり、9月鎌倉・喫茶ミンカ(神奈川)、10月MINOU BOOKS(福岡)、iwao gallery(東京)、11月PURPLE(京都)、12月本屋B&B(東京)で開催されます。 ★★★ご予約・お問い合わせ★★★ メールにてご予約ください。 ①お名前 ②お電話番号 ③参加人数 ④「A.書籍+ワークショップ」か「B.ワークショップのみ」かをご記入ください。 件名【10/29 写真ワークショップ】 info@iwaogallery.jpまでお申し込みください。 ご不明な点がありましたら、ご遠慮なくご質問ください。 参加者の方には「人物(大きくても小さくてもOK)が写っている写真(or 画像)」を1点、事前にメールにて送って頂きます。 送付先:info@iwaogallery.jp ※写真の送付期限:10月26日(水) ◉大竹昭子(おおたけ・あきこ) 1980年代初頭にニューヨークに滞在、文章を書きはじめる。小説、エッセイ、批評など、ジャンルを横断して執筆。小説作品は、人間の内面や自我は固定されたものではなく、外部世界との関係によってさまざまに変化しうることを乾いた筆致で描き出し、幅広いファンを生んでいる。今年7月に『図鑑少年』『随時見学可』『間取りと妄想』につづく4冊目として最新刊『いつもだれかが見ている』を上梓。写真関係の著書も多く、『この写真がすごい』『彼…

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