記憶のタナ
松岡 学 展
2025/5/8(thu)〜25(sun)
記憶のタナ|松岡 学 展 2025年5月8日(木)ー25日(日) [木・金・土]12:00ー19:00[日]12:00ー17:00 [休廊]月・火・水 ————— 堤防の端から糸をだして、しばらく待つ。 釣れなければ、糸の長さや場所をかえてみる。 暗くなるまえになにか釣れたら、と思っていた。 ————— 松岡学は富山県の港町で生まれ育ち、釣りを趣味としている。タナとは釣り用語であり、魚が遊泳している層のことをいう。 松岡の絵は情報量がかなり少ない。意識的に削ぎ落としている構図によって、陰影が奥へと誘導され、筆跡のストロークが空気の動きや時間の流れを画面から感じ、景色が動き始める。「モチーフにどれだけ記憶が含まれているかを考える。自分が深く関わった場所を描くことで、新たに何かを思い出したり、個人的な象徴性のレイヤーがそこに表れたら良いと思う」と彼は言う。彼は記憶を探り、層を描き、そして、鑑賞者は時間の変化を感じ取る。瞼の裏に映るような記憶、情景が脳裏に焼きつく感覚がある。 本展の作品はすべて〝海景(seascape)〟で構成されている。松岡の描く海景は、小説の一文、映画のワンシーンのようでもある。絵の前で時間を忘れて佇んで欲しい。彼の記憶の原風景「記憶のタナ」を是非ご高覧ください。 ◉ 松岡 学[Gaku Matsuoka] 1988年富山県生まれ。2014年武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程美術専攻日本画コース修了。創画会会友。2015年VOCA2015「現代美術の展望─新しい平面の作家たち」佳作賞(上野の森美術館)。2020年「Lyrical Songs」(Pragmata/東京)2021年公益財団法人吉野石膏美術振興財団「若手日本画家による展覧会助成」採択(アートスペース羅針盤/東京)2022年「松岡学 個展」(アートスペース88/国立)2023年「うつろうものと…かわらずに在るもの」(国登録有形文化財 豪農の館 内山邸、薬種商の館 金岡邸/富山)、「松岡 学 個展」(第一生命ギャラリー/有楽町)。個展、グループ展多数。 https://gakumatsuoka.jimdofree.com Instagram: @gaku.matsuoka Gaku Matsuoka Solo Exhibition 2025.5.8(thu)-25(sun) Open:Thu-Sat 12:00-19:00 Sun 12:00-17:00 Close:Mon-Wed