Kotonoha
ことのは|井津由美子写真展
2025/10/9(thu)〜26(sun)

2025年10月9日(木)ー26日(日)   [木・金・土]12:00ー19:00[日]12:00ー17:00 [休廊]月・火・水   この度、iwao galleryにて「ことのは (Kotonoha)」井津由美子写真展を開催します。 25年間過ごしたニューヨークを離れ、2021年に金沢に拠点を移してから初めての東京での個展になります。「浮かび上がるかすかな輪郭を写し取る」と語る井津は、新しい土地で暮らすなか、日常に潜む無意識の審美的感覚を繊細にとらえてきました。それは時に金沢で生まれ育った文豪・泉鏡花の持つ幻想的な世界へと迷い込むかのようです。プリントの美しさはもちろんのこと、唯美的な世界を切り取り、見えないものの存在を感じる静謐な視線が作品に宿ります。 本展は、新作30点を展示、金沢を拠点とする活動の契機になる個展となるでしょう。是非、この機会にご高覧ください。 ✴︎ gallery talk ✴︎  10.10(金)19:00 ー20:00 佐藤正子[株式会社コンタクト]× 井津由美子 ※ギャラリートーク(無料、要予約)の申込受付は9/24(水)よりiwaogallery のHP にて告知いたします。 ————— Kotonoha 《ことのは》は、いにしえより伝わる言葉の名残である。 それは単なる語彙や話し言葉ではなく、心の奥で芽吹き、形を得て世界に触れるものだ。 木の葉が木と外界をつなぐように、《ことのは》もまた、人と人、人と世界を結んでいる。 私は、その葉が生まれる瞬間、あるいは風にほどけて消えゆく時を見つめている。 名づけられぬ感情や、触れれば消える記憶の断片がそこにある。 とどめようとせず見送り、浮かび上がるかすかな輪郭を写し取る。 写真はただ静かにそこに在り、語られなかったことばが葉のようにふわりと立ち上がる。 この作品が、見る人の内に眠る想いの種に触れ、 新たな《ことのは》を芽吹かせるきっかけとなることを願っている。 井津由美子 ————— ◉ 井津由美子[Yumiko Izu] 1968年大阪府生まれ。1998年、アメリカ・カリフォルニア州ブルックス大学写真学科を卒業後、ニューヨークで写真家としての活動を開始。大型カメラとプラチナ・パラディウムプリントといった伝統的な技法を用いた、静謐で詩的な作品で知られる。 2003年より《Secret Garden》シリーズの制作を始め、生の輝きとその終焉を「白(Blanc)」と「黒(Noir)」で対比的に表現した。同シリーズと《Faraway》を収録した写真集『Resonance』(2016年)を出版。2017年からは鳥の巣や羽根をモチーフに、生命の脆さと再生を探る《Icarus》を東京、台北、バンコク、サンタフェ、パリなどで発表。2020年には、親交のあった写真家ソール・ライターのアトリエを撮影した写真集『Saul Leiter: In Stillness』を刊行し、東京・BOOKMARCで展覧会を開催した。 近年の活動として、2023年に渋谷ヒカリエで開催された森岡書店主催「ソール・ライター蔵書展」への参加、2024年ベルギー・アントワープでの個展《Utsuroi》、2025年ベルギー日本庭園での二人展《Visual Poetry from Ishikawa》がある。 2007年にはニューヨーク州ウッドストックのセンター・フォー・フォトグラフィー奨学金を受賞し、作品はサミュエル・ドースキー美術館に収蔵されている。これまでアメリカ、ヨーロッパ、日本各地で多…

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