Cellule
作曲家と写真家による作品展と演奏会
2025/1/25(sat)

2025年1月25日(土) [Cellule] 作曲家と写真家による作品展と演奏会 作曲家 海老原 太の新作によって構成される演奏会、及びそれらの曲集から着想を得て制作された写真家 縣 美千子による写真展を同一空間にて開催いたします。 出演:岡田恵美子(フルート)、永谷陽子(ファゴット) 作曲:海老原太 写真:縣美千子 \concert/ 「フルートとファゴットのための作品集IⅢ “Cellule”(胞)、IV “Entre Deux Mondes”(二つの世界の間で)」 日時:2025年1月25日(土)15:00 開演 会場:iwao gallery 東京都台東区蔵前2-1-27 2F(御蔵前通り) 定員:20名(要予約) 入場料:1,000円 \exhibition/ 同日12:00~15:00(公演開始前まで)入場自由・無料 お申し込みは、2024/12/23(月)より開始いたします。 ーーーーーーーーーー 
入場料:1000円 定員:20名(要予約) 
※お申込受付は先着順とし、定員になり次第締め切りとさせていただきます。 
※配信等の予定はありません。 【ご予約・お問い合わせ】
 メールにてご予約ください。
①お名前 ②お電話番号をご記入の上、件名「2025/1/25 演奏会」info@iwaogallery.jpまでお申し込みください。 ーーーーーーーーーー

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遺品談話室
トークイベント 松岡和子×大竹昭子
2024/12/11(wed)

2024年12月11日(水)←満席になりました(11/27) 19:00〜20:30(開場18:40) 松岡和子[翻訳家]×大竹昭子[作家] 遺品談話室 故人が大切にしていた思い出の品をみなで持ち寄り語り合う「遺品談話室」が、今年5月~6月に、森岡書店別室で開かれました。13人の方が参加し、そこで語られたことがこのたび『遺品談話室 遺品にまつわる十三の物語』という1冊にまとまりまりました。企画段階から関わり参加した作家の大竹昭子さんと、大竹さんに誘われて集った翻訳家の松岡和子さんのトークイベントをiwao gallery で開催いたします。それぞれどんな遺品を持ち寄ったのか、故人について語ることはどんな心の変化をもたらしたのか、長く親交のあるおふたりに語っていただきます。会場には本書を編集・刊行した「ものとかたり」の川端美香さんと野口玲さんも臨席いたします。 ーーーーーーーーーー 参加費:3,000円 『遺品談話室』1冊+カタリココ文庫『室内室外』1冊付き 定員:25名(要予約) ※配信等の予定はありません。 【ご予約・お問い合わせ】 ①お名前 ②お電話番号をご記入の上、件名「12/11トークイベント」monotokatari@gmail.comまでお申し込みください。 企画・主催:ものとかたり/大竹昭子 ーーーーーーーーーー ◉本書あとがきより 「初めて会った者同士が、挨拶もそこそこに、持参した遺品をおもむろにテーブルの上に出し語り始めます。何を話していいのか分からずに来ましたという方でも、目の前の物にはただならぬ思いがあるので、言葉は自然に溢れてくる。してあげたかったこと、してもらったこと。できたこと、できなかったこと。胸が詰まるような思いを抱えながらも、話すことで、みなさん穏やかな笑顔になっていく」 川端美香   『遺品談話室 遺品にまつわる十三の物語』 (ものとかたり別冊) 企画・発行:ものとかたり ページ数:102頁 判型:A5判 変 (148mm x 188mm) 発行日:2024年10月30日  定価:1,980円(税込) https://monotokatari.stores.jp/

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す き ま の あ る じ
ギャラリートーク 管啓次郎×久保田沙耶
2024/11/22(fri)

2024年11⽉22⽇(金)
←満席になりました(11/16) 
19:00ー20:30(終了予定) 管啓次郎(詩人・比較文学研究者)×久保田沙耶 詩人・管啓次郎氏を迎えギャラリートークと朗読会を開催いたします。 定員:20名(要予約) 
参加費:無料 
※お申込受付は先着順とし、定員になり次第締め切りとさせていただきます。
 ※配信等の予定はありません。 【ご予約・お問い合わせ】
 メールにてご予約ください。
①お名前 ②お電話番号をご記入の上、件名「11/22ギャラリートーク」info@iwaogallery.jpまでお申し込みください。 ◉久保田沙耶 [Saya Kubota] 1987年茨城生まれ。東京、鳥取、宮城、兵庫などを拠点に活動。筑波大学芸術専門学群卒業。東京藝術大学大学院美術研究科修了後、同博士号取得。日々の何気ない光景や人との出会いによって生まれる記憶と言葉、それらを組み合わせることで生まれる新しいイメージやかたちを中心に、平面や立体作品、さらには独自の装置を用いたインスタレーションなど、様々なメディアを駆使しながら制作を続ける。主な個展に「material witness」(2016 大和日英基金)、主なプロジェクトに「漂流郵便局」(2013 瀬戸内国際芸術祭)など。 ◉管啓次郎[Keijiro Suga] 1958年生まれ。詩人、批評家。明治大学理工学部教授。詩集に『Agend’ Ars』『島の水、島の火』『海に降る雨』『時制論』『数と夕方』『狂狗集 Mad Dog Riprap』(左右社)、『犬探し/犬のパピルス』(Tombac)、英文詩集にTransit Blues (The University of Canberra)がある。紀行文集『斜線の旅』(インスクリプト) により読売文学賞受賞(2011年)。エドッアール・グリッサン『〈関係〉の詩学』『第四世紀』(インスクリプト)をはじめ、翻訳書多数。2021年、多和田葉子、レイ・マゴサキらによる管啓次郎論を集めた研究書 Wild Lines and Poetic Travels (Doug Slaymaker ed., Lexington Books)が出版された。

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Saya Kubota|Hosting the In-between
す き ま の あ る じ
2024/11/21(thu)〜12/8(sun)

2024年11月21日(木)ー12月8日(日) [木・金・土]12:00ー19:00  [日]12:00ー17:00 ※月・火・水 休廊  宮城、東京、兵庫、鳥取などを拠点に活動する現代美術家・久保田沙耶の個展を開催いたします。本展「すきまのあるじ(Hosting the In-between)」は、Yu Harada(曙橋)での久保田沙耶展「もぬけの城」から1年ぶりの都内での個展になります。 1年前、彼女は小さな砂浜を見つけ、岩礁の窟の中にひっそり住んでいる貝、引き潮の時に少しだけ海水が残ったところを棲家にしているヤドカリに出会います。寝そべって砂に埋もれ丸一日でも過ごすことができた砂浜に魅了されていきます。家の間の隙間に住んでるカタツムリ、メスのために一生懸命隙間に美しい巣をつくるオスドリ、岩の裏にはりついたたくさんのフジツボ……。そういう名もなき子たちの目線を借りて、やわらかい砂を隙間に埋めてあげるような、手からこぼれ落ちる悲しさをもやさしさに変え作品へと導きます。iwao galleryの浜辺に辿り着いた作品たちが鑑賞者をいざなうことでしょう。 <ギャラリートークと朗読会> 管啓次郎(詩人・比較文学研究者)×久保田沙耶 11.22(金)19:00ー20:30 定員20名(無料、要予約) ◉久保田沙耶 [Saya Kubota] 1987年茨城生まれ。東京、鳥取、宮城、兵庫などを拠点に活動。筑波大学芸術専門学群卒業。東京藝術大学大学院美術研究科修了後、同博士号取得。日々の何気ない光景や人との出会いによって生まれる記憶と言葉、それらを組み合わせることで生まれる新しいイメージやかたちを中心に、平面や立体作品、さらには独自の装置を用いたインスタレーションなど、様々なメディアを駆使しながら制作を続ける。主な個展に「material witness」(2016 大和日英基金)、主なプロジェクトに「漂流郵便局」(2013 瀬戸内国際芸術祭)など。 Instagram:@sayakubota Hosting the In-between Saya Kubota Exhibition 2024.11.21(thu)-12.8(sun) Open:Thu-Sat 12:00-19:00 Sun 12:00-17:00 Close:Mon-Wed

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ワークショップ
切る・並べる・綴じる 小さい本を作ろう
2024/10/18(fri)

2024年10月18日(金)
←満席になりました(10/1) 18:30ー21:00(終了予定) <ワークショップ> 切る・並べる・綴じる 小さい本を作ろう 定員:6名(要予約)
参加費:3,000円(おやつ+飲み物付) 
※お申込受付は先着順とし、定員になり次第締め切りとさせていただきます。
 \申込受付は10/1(火)から開始します/ メールにてご予約ください。①お名前 ②お電話番号をご記入の上、件名「10/18ワークーショップ」info@iwaogallery.jpまでお申し込みください。

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and Books
常田泰由
2024/10/10(thu)〜27(sun)

2024年10月10日(木)ー27日(日) [木・金・土]12:00ー19:00  [日]12:00ー17:00 ※月・火・水 休廊 木版画から表現を広げていき、ドローイング、コラージュ、アートブックへと展開させている作家・常田泰由の個展「and Books」を開催いたします。 木版の作品、そして、小さな本たちを展示。常田の作品は〝いろ〟と〝かたち〟で構成され、シンプルでありながらも遊び心を感じる。そして、その先には本という形状がある。すでにある自分の作品を一旦解体し、並び直し、綴じることでシートから本へと形態・文脈を変えてみせ「コラージュ」の考えかたをベースにしている。彼は「自分が制作した作品でありながら、自分の作品ではないようなありかたが心地よく感じている」と言う。裁断したりしたページが集まり綴じている小さな本には、めくり触れることで独特の質感も味わうことができる。 〝いろ〟と〝かたち〟の自由でリズミカルな組み合わせ、心踊る展示を愉しんでください。 ーーーーーーーー ⚫︎本の作品について 過去に作った作品から本をつくっている。刷り損じたもの、作りかけのものから組み合わせを考え、並びかえてつくる。 作るのでなく、直す、整えるような感覚。どんなものができるか決まっていない。 ただの紙束のようでもあるが、ひとはページをめくって読んでくれる。 ⚫︎木版の作品について いくつかの版を作り、刷り重ねたり、刷ったものを重ねたりして作る。 本の作品と同様に、どんなものができるは決まっておらず、そのときどきの組み合わせで作る。 常田泰由 ーーーーーーーー <ワークショップ> 切る・並べる・綴じる 小さい本を作ろう 10/18(金)18:30-21:00 定員6名 3,000円(おやつ+飲み物付) ※要予約 10/1(火)からiwao gallery HPで申込開始。 ◉常田 泰由[Yasuyoshi Tokida] 1980年長野県生まれ。版画家。東京造形大学絵画専攻卒業。愛知県立芸術大学大学院修了。現在、東京造形大学絵画専攻 助教。木版画を中心に国内外の美術館、ギャラリーで発表、版画やアートブック制作のワークショップも開催している。「めくる、ひろがる-武井武雄と常田泰由の本と絵と-(本と美術の展覧会vol.4)」(2022 太田市美術館・図書館/群馬)。「Refind」(2022 Gallery惺/東京)「あなたとかたち」(2023 GALLRY NOYIE/長野)「中田篤 × 常田泰由 “Color & Sense”」(2023 水犀/東京)「Repeat」(2024 Gallery匣/東京)など個展、グループ展多数。主な収蔵先として、Muzeum Sztuki i Techniki Japońskiej(ポーランド)、観澜国際版画ビエンナーレ組織委員会(中国)、愛知県立芸術大学芸術資料館、町田市立国際版画美術館、鹿沼市立川上澄美術館など。 Instagram:@yasuyoshi_tokida and Books Yasuyoshi Tokida Exhibition 2024.10.10(thu)-27(sun) Open:Thu-Sat 12:00-19:00 Sun 12:00-17:00 Close:Mon-Wed

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Atmosphere
Maya Makino×Yumi Nishimura
2024/9/5(thu)〜22(sun)

2024年9月5日(木)ー22日(日) [木・金・土]12:00ー19:00  [日]12:00ー17:00 ※月・火・水 休廊  牧野真耶×西村祐美「Atmosphere」二人展を開催いたします。 自身の記憶の断片を、藍という染料を支持体に深遠な色彩表現と抽象的な画面構成で表現する牧野と、反復と集積というシステムの美しさに魅了され独学で〝織り〟というものをより抽象化する、テキスタイル領域から美術へと深化する西村。ふたりの作家は素材、技法、アプローチも異なる作品であるが、醸し出す〝Atmosphere〟はどこか似ている。二人ともが追求する、限られた状況・空間や色彩の中に無限の世界を見出すミニマリズム。彼女たちの持つ静かに響く呼吸とiwao galleryの空間での〝Atmosphere〟をお楽しみください。 ※Atmosphere=特定の場所や状況が持つ特有の感じ。雰囲気。 ———- 牧野真耶の作品は、無意図的に知覚した感覚から、瞬時に過去の風景が目の前に映し出される体験を絵画の中にキャプチャーし留めておくということを目的としている。夜の静けさ、雨の音、花の香り。これらの断片は、幼い頃の記憶を呼び起こし、作家がこれらの光景や感覚を意識するのと同じように、鑑賞者の頭の中で揮発した後、瞬時に消えるという体験をする。 牧野の絵画的実践の最も本質的な側面のひとつは、おそらく色の深度であろう。彼女は、胡粉を使った地塗り材で下塗りをしたパネルに一種類の染料を使ってさまざまな藍の色合いを表現する。藍は絵画の表面に留まっているのではなく、支持体に浸透している。それは、彼女が感情や記憶を瞬間的に思い出し、捉え、保存することを追求する際に、心に浸透していくこととリンクしていると言える。牧野にとって絵画とは、特定の表面に特定の材料を塗り重ねる行為だけではない。色彩が絵画の物質的な面を超越するように、支持体の奥から立ち現れる現象として捉えている。 ———- ———- 西村祐美は、現在のような制作を行う以前、学業や仕事を通じデジタルな制作現場で活動していた。どこか実体の感じづらい作業を続ける中で、もっと本質的な素材に立ち返りたい、自分の指で何かを形にしたいという思いを次第に募らせていた。その時期ふと手織りに興味を持つ機会があり、反復と集積というシステムの美しさに魅了され独学を開始した。 西村は、テキスタイルの領域で自身の立ち位置を模索していた頃、韓国のミニマルな抽象表現である単色画(ダンセッファ)と出会い、その反復に対する肯定的な姿勢と引き算の美学に影響を受け、〝織り〟を抽象的に表現することを意識し始める。2022年に開催されたiwao galleryでの個展では、手織りによる反復のシステムとそれを行う人間の手作業や素材から生まれる揺らぎを用いた作品を制作、展示した。 2023年以降は〝織り〟というものをより抽象化していくために、実際の織り機から離れ、いくつかのシリーズを展開しながら、織りの中でとりわけ興味を惹かれる要素 —反復・集積・交差・密度・素材—などを軸とした制作を行っている。 ———- ◉牧野真耶[Maya Makino] 1980年神奈川県生まれ。2009年 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻修了。2003年より藍を使用した作品を制作し続けている。国内外のギャラリーの他、2012年 東京都府中市美術館、201…

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写真集『はじめて あった』読み語り会
ギャラリートーク 大竹昭子×大橋仁
2024/8/3(sat)

2024年8月3日(土) 16:00ー18:30(終了予定) 大竹昭子(文筆家)×大橋仁(写真家) このイベントは(スライド上映ではなく)一人一冊写真集を手元において眺めながらトークを聞く、新しいタイプの写真イベントです。実際に写真集に触れながら話を聞くことで、内容や被写体やページ構成についてより理解が深まります。 \申込受付は7/22(月)から開始します/ メールにてご予約ください。①お名前 ②お電話番号をご記入の上、件名「8/3ギャラリートーク」info@iwaogallery.jpまでお申し込みください。 定員:16名(要予約) 参加費:2000円 ※お申込受付は先着順とし、定員になり次第締め切りとさせていただきます。 ※配信等の予定はありません。 ※写真集『はじめて あった』をお持ちの方はお手数ですがご持参いただき、お持ちでない方はその場でお貸しいたします。 ※会場にて、写真集『はじめて あった』を特別価格で販売させて頂きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 大橋仁からメッセージ 『はじめて あった』は、今までの写真集とは違っていました。 完成後、ページを捲るたびに、後書きに書ききれなかった新たな言葉が次々と湧いてくるのです。 おかしい、おかしい。 進む先にあるものが余りに大きすぎてわからなくなりました。 私を産んだ母の死で呼び覚まされた個的な母子の命の記憶と、己の性癖を起因とした生物としての生命の記憶が、この写真集の中で交錯し、生と死の祝祭を繰り広げているような、そんな気がしてきたのです。 写真集はもう出来あがって自分の手を離れてしまいましたが、この本に対して生涯の後悔が残らぬようなにか行動を起こさなくてはと思いました。『はじめて あった』の読み語り会をはじめたのはそんな動機からです。 6回目の今回は、初めてゲスト(大竹昭子さん)をお招きして開催いたします。 大竹さんから「この写真集の語り手はだれなのか? 人間ですらないのではないか?」というコメントをいただいたとき、この写真集の核心を言い当てておられるように感じ、大竹さんとトークを思い立ちました。 当日はみなさまにご感想やご意見をいただきながら進めてまいります。是非、ご参加ください。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ◉大竹昭子(おおたけあきこ) 文筆家。1980年代初頭にニューヨークに滞在、執筆活動に入る。『眼の狩人』(新潮社、ちくま文庫)では戦後の代表的な写真家たちの肖像を強靭な筆力で描き絶賛される。小説、エッセイ、朗読、批評、ルポルタージュなど、特定のジ ャンルを軽々と飛び越えていく、その言葉のフットワークが多くの人をひきつけている。 2019年に書籍レーベル「カタリココ文庫」をスタートし、 美術・写真・言葉をテーマに刊行。また「写真を深く見るためのワークショップ」を各地で開催、写真を自由に見て楽しみ方法を広めている。最新刊は1枚の写真から言葉を紡いだ『迷走写真館へようこそ』(赤々舎)。 ◉大橋 仁(おおはし じん) 1972年神奈川県相模原市生まれ。写真家。1992年キヤノン写真新世紀公募展にて優秀賞を受賞。数々のアーティストのCDのジャケット撮影やプロモーションビデオのディレクションなど、多数手がける。その他、CM、雑誌、広告、映画監督など、その活動は幅広い。1999年に出版された写真集『目のまえのつづき』(青幻舎)は義父の自殺未遂現場などを撮影し、荒木経惟をして「凄絶ナリ」と唸らせた。2005年『いま』(青幻舎)、2012年に男女300人の絡みを撮影した写真…

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露口啓二「移住」展に寄せて
「移住─現在そして未来を生き抜くために」
四方幸子

露口啓二「移住」展に寄せて 「移住─現在そして未来を生き抜くために」 四方幸子[本展キュレーター] ーーーーーーーーーーーーーーーーー  空では渡り鳥が、季節に応じて北と南の遠距離を回遊し続けている。梅雨に活性化する粘菌や微生物は、環境に応じてコロニーの形成や離散を繰り返している。地球上のあらゆるものは—生物も無生物も含め—太陽など宇宙から、そして地殻変動など内部からの影響を受けながら常に移動し、互いに作用し合ってきた。人類も誕生以降、自然の一部もしくは自然に寄り添う存在として、移動と定住を繰り返しながら生きてきた。そのような中、現生人類だけが、技術や抽象思考を発達させ自然を対象化し境界を策定し、それらを維持するための情報操作を行ってきた。  大地、水、森、鉱物そして動植物(これらはいずれも「情報」とも言える)…人間の歴史は、あらゆるものを資源として囲い込みドメスティケートする歴史であり、そこには、支配者側が人間と見なさない人間も含まれていた。人間による人間の支配は古代から存在していたものの、とりわけ西洋近代以降、産業化とともに発展した資本主義によって、国家を前提とした大規模かつシステマティックなものへと展開した。  日本においては、明治時代以降に東京を中心として国家の発展と産業振興を旗印に近代化が推進されたが、[1]中でも核となったのが、新たに「北海道」と名づけられた旧蝦夷地の防衛と開拓である。政府の政策により国内各地から故郷を離れて入植した人々は、厳しい自然の中で生き、強制移住を余儀なくされたアイヌの人々は病気や死亡に瀕し、農業実習のため東京へ送られる者もいた。  「移住」は様々な目的でなされるものであるが、露口が本展「移住」で扱っているのは、近代化の中で政府の意向で北海道へ移住した人々に寄り添った寡黙な歴史と移住前後の土地の現在である。写真は、以下の要素で構成される。皇居。明治時代に開拓使が置かれた東京の芝公園、渋谷などと開拓本府があった札幌の中心部。栃木県の足尾銅山跡や鉱毒汚染に見舞われた下流の旧・谷中村(現:渡良瀬遊水地)とこの地域から集団で入植した北海道佐呂間町。そして2011年3月11日の東日本大震災で高濃度の放射線汚染被害を受けた福島の地域。いずれも複数の写真を並置した展示となっている。  露口によって慎重に掬い上げられた写真は、整然とした佇まいの皇居以外は、通常人が目を向けないような都市風景や荒れ果てた家屋などを含む地方や自然の風景である。各写真は一点で何かを表象するのではなく、むしろ複数性において、写真の間(はざま)に湧き起こるざわめきの中から見る側に語り始めることだろう。  露口は、同じ集団が住んだ二つの地—慣れ親しんだ故郷と故郷とすべく乗り込んだ新たな地[2] —の現在に入り込み、それらを並置する。入植者は新たな土地でも故郷の文化や伝統を維持し、地名もしばしば故郷にちなんでつけられた。離れても消えない故郷や先祖への思い、そこに上書きされていく入植地での経験や記憶…世代を隔て21世紀となった現在における状況が、露口を通じて露わになる。近代化はまた、資源採掘とエネルギー確保のための移民を多く生み出した。本展では、鉱毒汚染による移住、開拓地での炭鉱や戦後の原子力発電所などでの労働のための移民、そして引き起こされた事故や汚染による避難のための移住までもが扱われている。  露口は当事者ではない。しかし当事者たちが生きていた地を何度も訪れ、場の痕跡や記憶に丹念に向き合いながら[3] 一種のフィルターに徹することで生み出された渾身の写真…

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移住
ギャラリートーク 四方幸子×露口啓二
2024/7/12(fri)

2024年7⽉12⽇(金) 19:00ー20:30(終了予定) 四方幸子(キュレーター)×露口啓二(写真家) 写真集『移住』(赤々舎)刊行と写真展を記念し、本展のキュレーターでもある四方幸子氏を迎えギャラリートークを開催いたします。 定員:15名(要予約)←満席になりました(7/2) 参加費:無料 ※お申込受付は先着順とし、定員になり次第締め切りとさせていただきます。 ※配信等の予定はありません。 【ご予約・お問い合わせ】 メールにてご予約ください。 ①お名前 ②お電話番号をご記入の上、件名「7/12ギャラリートーク」info@iwaogallery.jpまでお申し込みください。 ◉露口啓二[Keiji Tsuyuguchi] 1950年 徳島県生まれ。1990年代末より、北海道の風景と歴史に着目した写真シリーズ「地名」の制作を開始。2014年 第一回札幌国際芸術祭に、映像と写真のインスタレーションを発表。同年、人間の営みの痕跡が自然に浸食されていく様子を撮った「自然史」シリーズの制作を開始。2018年「自然史」シリーズを「今も揺れている」展(横浜市民ギャラリーあざみ野)に出品。同年「地名」シリーズを「さがみはら賞受賞」展出品。2020年「地名」と「自然史」を「道草」展(水戸芸術館現代美術ギャラリー)に出品。2021年「The world began without the human race and it will end without it」展(国立台湾美術館)に出品。2021年より2023年まで、映画『Wakka』に撮影監督として参加。写真集に『自然史』(2017)『地名』(2018)がある。 ◉四方幸子[Yukiko Shikata] キュレーター/批評家。「対話と創造の森」アーティスティックディレクター。美術評論家連盟会長。多摩美術大学・東京造形大学客員教授、武蔵野美術大学・情報科学芸術大学院大学(IAMAS)・京都芸術大学非常勤講師。「情報フロー」というアプローチから諸領域を横断する活動を展開。1990年代よりキヤノン・アートラボ(1990-2001)、森美術館(2002-04)、NTTインターコミュニケーション・センター(2004-10)と並行し、インディペンデントで先進的な展覧会やプロジェクトを多く実現。2010年代の仕事に札幌国際芸術祭2014、茨城県北芸術祭2016など。2020年以降の仕事に美術評論家連盟2020シンポジウム(実行委員長)、MMFS2020、「ForkingPiraGene」(C-Lab台北)、2021年にフォーラム「想像力としての<資本>」 (2021)、フォーラム「精神としてのエネルギー|石・水・森・人」(2021)、「EIR(エナジー・イン・ルーラル)」(2021-2023)、大小島真木・辻陽介『千鹿頭 CHIKATO』(2023)、「混沌に愛/遭い!ーヨーロッパと東京をつなぐサウンド、メディアアート、ケアの探求」(2024)など。国内外の審査員を歴任。著書に『エコゾフィック・アート 自然・精神・社会をつなぐアート論』(2023)。共著多数。

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