「光と影の間」張 静雯展

ching_wen_chang

2023年9月7日(木)〜24日(日) [木・金・土]12:00ー19:00 [日]12:00ー17:00 ※月・火・水 休廊 ここ数年、活躍が目覚ましい注目の作家・張 静雯(チャン・ジンウェン)の約12点で構成される「光と影の間」を開催いたします。留学生であった張は、コロナ禍の3年間を日本で(それも閉鎖的な空間と距離の中で)過ごしたことが作品の核となっている。張の作品には人は描かれていない。しかし、見えない記憶や感情が存在すると考える。墨独特の濃淡、朧げな光と影の間に存在する〝孤独〟と〝希望〟を感じ取って欲しい。是非、ご高覧ください。 ーーーーーーーーーーーー 作品は和紙 、墨 、水干 、岩絵具などの材料による無機質な風景を描写し 、現代人の「孤独 」 、「記憶」、「コロナの不安感」などの感情を伝えたいと思っている。現在、窓と部屋をモチーフにして作品を制作している。 窓の作品を描き始めたきっかけは、三木清という作家の言葉に出会ってからである。その言葉は「孤独は山になく、街にある。一人の人間にあるのではなく、大勢の人間の〝間〟にあるのである。」だった。私はそこからインスピレーションを得て、東京のマンションと窓をモチーフを用い、作品を制作した。窓は私にとって人々の出口と入口を表すものである 。そのひとつひとつの窓にストーリがあり、それぞれには記憶、孤独 、不安の感情が集まる場所である。そして毎日、見慣れた景色、教室や部屋の隅などの場所では、人がいなくても、見えない記憶や感情が存在していると考えている。さらに、空間の閉鎖的な構図を利用して、物語が溢れるような場面を作りたいと思っている。 私の作品の中の光は重要な存在であり、それは希望の意味も謳っている。作品は見る人に孤独を感じさせるが、しかし中心の光により、最後は希望を感じってもらいたいと思うのだ。作品は孤独感と希望を同時に伝えている。人間は一人でうまれて、一人で死んでいく。人間常に孤独と隣り合わせで生きている。それを表現するため、画の中に冷たく、孤独感を表現する色彩と、小さな光を表現した。一方、光がある所には、影がある。作品の画面では人物を描写しない、窓の中からうかがい知る人の暮らしを表す品々、生活用品やカーテンなどにより、人の存在を感じるように描いている。墨と顔料の濃淡を利用し、窓内の人物、生活用品の「虚」と「実」を表現するとともに、室内の空間性を暗示している。 2023年 張 静雯 ーーーーーーーーーーーー ◉張 静雯(チャン・ジンウェン) @ching_wen_chang 1979年台湾、台中生まれ。2003年国立台湾芸術大学美術学科水墨画専攻卒業。2023年多摩美術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻修了、博士号取得。主な展示に、2021年「東アジアのなかへ―収斂と拡散 vol.3 容器」(柴田悦子画廊/東京)、2022年「記憶容器」SICF22EXHIBITION部門 グランプリアーティスト展(スパイラルガーデン/東京)、「伏線」(誠品画廊/台湾)、2023年「空白と距離」(KYOBASHI ART ROOM/東京)などがある。 CHANG Ching-Wen Exhibition Between Light and Shadow 2023.9.7(thu)-24(sun) Open:Thu-Sat 12:00-19:00 Sun 12:00-17:00 Close:Mon-Wed

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キレイとキタナイ|悠

2023年7月6日(木)~23日(日) [木・金・土]12:00ー19:00 [日]12:00ー17:00 ※月・火・水 休廊 モチーフは〝花〟。「美」とは何かを追い求め、切り絵と絹糸を使って刺繍という手段を使って表現する作家・悠(Haruka)の個展「キレイとキタナイ」を開催します。手仕事である刺繍、糸は自分自身の思考でもあると悠は言う。針と糸を通し、思考を動かす。人間は「自然」をお手本としながら「非自然(自然にしたがわずに存在するさま)」を追い求める。本当の美しさを求め、人の手で作られた美しさを問う。彼女の作品である刺繍は(縫い終わりの)糸留めをしていない。仕上げの糸はうねるように流れる。「何故、それを美しいと思うのか」自身に問いている、答えはまだ見つけられていない。だから、作品も未完成と言う。「キレイとキタナイ」を彼女の眼差しを問いながら一緒に鑑賞して欲しい。是非、ご高覧ください。 ーーーーーーーーーーーー “ Fair is Foul, and Foul is Fair ” 「きれいは穢い、穢いはきれい」 (『マクベス』新潮文庫 ウィリアム・シェイクスピア/著 福田恆存/訳) シェイクスピア『マクベス』に出てくる魔女のセリフ。 この言葉のオクシモロン(矛盾語法)は、私の作品の核としているものである。 人は日常生活への彩りとして「キレイなもの」を身近に置く。 その「キレイ」とする価値観のひとつに、人にとって美しいものの原点である「自然なもの」があり、その中に〝花卉〟が含まれる。けれど、花屋に並ぶ〝花卉〟は人の手によって品種改良をされた人工物であり「非自然なもの」だ。 品種改良された〝花卉〟とは、人にとって都合のよい「キレイ」に作りあげたものと言ってもよいだろう。人は「自然」に憧れお手本にして「非自然」を行う。 自然の花を非自然に形を変え、生物として不自然にしておきながらもあたかも自然なもののように扱い「キレイ」と表現する。だが、非自然に形を変えた花が枯れ、自然の流れに従いその姿を歪めていく様は何と言えるのだろう。 キレイ? キタナイ? 私にとってその様はまさに「きれいは穢い、穢いはきれい」なのだ。 2023年 悠[Haruka] ※花卉:観賞用として用いられる植物 ーーーーーーーーーーーー ◉悠(Haruka) 1978年熊本県生まれ。2001年会社員をしながら独学で切り絵制作を始める。切り絵と刺繍で表現する美術家。2012年より、主にラディウム レントゲンヴェルケ(馬喰町)から作品発表。受賞歴に「SICF13」南条史生賞(2013)『月刊美術』美術新人賞 奨励賞(2013)など。近年の活動として「ジャンルレス工芸展」国立工芸館(金沢、2022)日本橋三越本店コンテンポラリーギャラリー企画展「ON KO CHI SHIN ~功術 dept.rmx.」(2022)などがある。 Haruka Exhibition 2023.7.6(thu)-23(sun) Open:Thu-Sat 12:00-19:00 Sun 12:00-17:00 Close:Mon-Wed

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アリゾナの白い太陽とともに生きる。
比嘉良治写真展

2023年6月8日(木)〜25日(日)  [木・金・土]12:00ー19:00 [日]12:00ー17:00 ※月・火・水 休廊 2020年3月から始まったニューヨーク州のロックダウン、NYの自宅を離れアリゾナへ。 本展では、240日間におよぶアリゾナでの日々、そのなかで撮り続けた作品を展示します。 コロナ禍、二度の延期を余儀なくされたが、このたび開催いたします。 ぜひご高覧ください。 ーーーーーーー 砂漠に人が住むようになったアリゾナ。 今ではスノーバードとあだ名がつくほどに避寒地として北の国から人がわたってくる。 僕もその一人だった。 寒期が過ぎてもコロナで戻れなくなる。 水銀が40度を上昇するなか、  地球の仲間たちの住処でぼくは小さな旅をしていた。 比嘉良治 ーーーーーーー ◉比嘉良治(ひがよしはる) 1938年、沖縄県名護市生まれ。写真家・画家・NYロングアイランド大学名誉教授。現在、N.Y.在住。1964年、多摩美術大学卒業後に渡米、アート・スチューデント・リーグにて学ぶ。コロンビア大学大学院修了修士号修得。制作活動と大学教育に従事。77年ロングアイランド大学に迎えられ、96年東洋人初の「最優秀教授賞」を受賞。アメリカ国内各地、日本各地、ヨーロッパ、アジアなどで個展、グループ展、国際展多数。ニューヨーク近代美術館、フィラデルフィア美術館その他アメリカ国内の主要美術館に作品収蔵及び数多くの受賞。「虹の暗箱」個展(2007年、ギャラリー冬青)、「時がこもる浜・沖縄」比嘉良治写真展(2017年、仙川・東京アートミュージアム)。著書「50歳から楽しむ・ニューヨーク散歩」(小学館)。 Yoshiharu HIGA Exhibition 2023.5.11(thu)-28(sun) Open:Thu-Sat 12:00-19:00 Sun 12:00-17:00 Close:Mon-Wed

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版画と彫刻
海老塚耕一展

2023年5月11日(木)〜28日(日)  [木・金・土]12:00ー19:00 [日]12:00ー17:00 ※月・火・水 休廊 現代美術家(彫刻家)である海老塚耕一は、版画家でもある。90年代以降は「境界・端・限界」への関心から「水」や「風」を主題に作品を発表。ドライポイント、メゾチントで制作した版画作品を中心に、本展のために作られた彫刻「水の隣人」(蔵前にて・桜新町にて)を展示いたします。是非、ご高覧下さい。 ◉海老塚耕一(えびづかこういち) 1951年、神奈川県横浜市生まれ。現代美術家、彫刻家、版画家。多摩美術大学美術学部建築科に進学、生涯の師として仰ぐ東野芳明と出会う。多摩美術大学において長年にわたり後進の育成に従事する。生涯学習プログラムでは「あそびじゅつ」の考案。2022年、多摩美術大学教授を退職。東京国立近代美術館、世田谷美術館、神奈川県立近代美術館等に収蔵。映像作家・鈴木志郎康によるドキュメンタリー映画『極私的にEBIZUKA』(2001年)、『山北作業所』(2002年)が撮られている。

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Tree of Life | Toru Komatsu
小松透写真展

Tree of Life | Toru Komatsu 小松透写真展

2023年3月9日(木)~26日(日) [木・金・土]12:00ー19:00 [日]12:00ー17:00 ※月・火・水 休廊 2011年3月11日の大震災、実家の古い家も倒壊した。写真家・小松透は息子をアシスタントに東北の太平洋沿岸に足を運び撮影を続けた。本展は、その10年をまとめた 写真集『nature morte ─après 311─』(2021年)を中心とした写真展を開催する。本展のタイトルは〝Tree of (still)Life〟であり、小松は「写真は〝still Life〟である」と言う。彼はどこかに迷い込むかのように木(木々)を撮り続け、その先に何が見えてきたのだろうか……。小松の写真には一貫して静けさが漂っている。取り残された木(木々)、地を這うように倒れた木(木々)、静寂のなかに広がる荒涼な風景は、時として、異国のような雰囲気を醸し出す。時を経て、儚くも力強い自然(木々)の先に希望がみえる。 ーーーーーーーーーーーー 《同時開催》小松透 Toru Komatsu 「New Horizon」 会期:2023年3月6日(月)~19日(日)12:00-19:00 会場:RED Photo Gallery 東京都新宿区新宿1-2-11 近代ビル2F https://photogallery.red ーーーーーーーーーーーー ◉小松透(こまつとおる) 1969年宮城県生まれ。94年、多摩美術大学芸術学科卒業。写真家、TokyoLightroomプリンティングディレクター、RED Photo Galleryのメンバーとして活動。1992年より「静物」をテーマに映像作品と写真作品を制作。2016年11月Place M出版より写真集『遠い渚 ─a distant shore─』を刊行。同年、Steidl Book Award Japanにて、ファイナリストに選出。現在ドイツの出版社Steidlにて未だ写真集制作中。2020年6月よりPlace Mのメンバーとなり、2021年3月 Place M出版より写真集『nature morte ─aprés311─』を刊行。   小松 透 写真集 『nature morte ─après 311─』 印刷:2021年3月11日初刷 発行:Place M 5x5inchサイン入りオリジナルプリント付き。 300部限定 価格:¥8,000(税抜)   あれから10年、その間にも何度も東北の太平洋沿岸に足を運ぶ度に息子の静をアシスタントとして連れて行った。海岸沿いには裾野の広い防潮堤がどんどん築かれ、遠くからは海が望めず以前の面影はなくなっていくけれど、防潮堤を越えれば以前と変わらない広い海が広がっている。驚くことに一本松は本当の意味で静物となったが、希望の象徴であることにかわりはない。小学3年生だった静は19歳になった。静と一緒に一本松の前で写っている父親はもういない。その写真を褒めてくれた母親も。世界中の人が外に出る際にマスクをするようになるとは。そう考えると10年という時間は長く感じるが、僕にとっては、あの日が昨日のことのように思えてならない。だけど、じっとしてはいられない。ただ先へ進め。

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Immortal Garden | Nina Nomura
野村仁衣那展

Immortal Garden | Nina Nomura 野村仁衣那展

2023年2月9日(木)~26日(日) [木・金・土]12:00ー19:00 [日]12:00ー17:00 ※月・火・水 休廊 ここ数年、活躍が目覚ましい注目の若手作家・野村仁衣那を迎え、新作〝Immortal〟約16点で構成される「Immortal Garden(不朽の庭)」を開催いたします。野村は、プラスティックに熱を加え、穴をあける行為(※防塵マスクにハンダごてという制作姿)を表現方法とする。プラスチックにあけた無数の痕跡が色彩によって再生され、物質から表象へと光をあてることで、野村が言及する〝光の細胞〟が誕生する。光を透過することによって作品の美しさを成立させた。本展では、2022年に発表した新作〝Immortal〟を展開し、環境や状況によって変化する作品を展示する。 ーーーーーーーーー 一見無機質に見えるアクリル板に熱を加え、穴をあけることで、光の細胞を宿し、新たな生命感を与えた。プラスティックの原料である石油は、太古のプランクトンの死骸が、長い年月をかけて大地の熱や圧力を受けて生まれた。穴をあける行為は、この素材が持つ起源を露わにし、心象風景として再生させるためにある。この「Immortlal/不朽」は、このコンセプトをプリミティブに捉え、抽象表現に落とし込んだものである。すべてのものが時間によって変化していくことを、老い、朽ち、劣化する、ネガティブなものとしてではなく、ただ次なる姿への変身の途中であると捉えた作者のイメージを投影している。プラスティックという素材は、環境問題において疎ましく思われているものでもあるが、この光の細胞の輝きは、現代の私たちの暮らしに潜む価値を照らし出している。 2023年2月 野村仁衣那 ◉野村 仁衣那(のむら にいな) 1993年 東京都生まれ。大学で日本文学を学んだ後、就職。小売業の会社で働く中で空間とプロダクトの関係に興味を持ち、2018年 桑沢デザイン研究所昼間部入学、空間デザインを専攻する。2021年 スペースデザイン科を卒業後、作家活動開始。スパイラル青山 SICF22 審査員賞(MIKIKO賞)受賞。2022年 DESIGNART TOKYO 2022 UNDER30 受賞。(Selected by Astrid Krain & Mark Dytham) PechaKucha Night Special出演。 https://www.ninanomura.com

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風をこぐ
橋本貴雄写真展

風をこぐ 橋本貴雄写真展

2022年11月3日(木)~20日(日) 木・金・土・日 12:00ー19:00 (最終日17:00まで) ※月・火・水 休廊 私はフウのそばにいて、ただ見つめていたように写真が残った。 ベルリンを拠点に活動する写真家・橋本貴雄の写真集『風をこぐ』出版記念巡回展示の最終章のひとつとなる。橋本は2005年、交通事故に遭い後ろ脚が動かなくなってしまった野良犬・フウを保護した。本展では、出会いの地・福岡をはじめ大阪、東京、ベルリンで橋本とフウがともに過ごした12年間の記録、19点で構成される。フウとの日々を静かに受け止める橋本の優しい眼差しと柔らかな風景が目の前に浮上する。フウのいる風景が愛おしいと感じるだろう。 ーーーーーーーーーーーー フウは17年前、福岡の路上で轢かれていた。事故で後ろ脚は動かなくなっていて、手術を受けて、リハビリをかさねていくなかで、後ろ脚は少しづつ動き始めた。普通の犬のように歩くことは最後までできなかった。それでも、自力で立って元気に散歩ができるまでに回復した。晩年は自力で立つことはできなくなったけれど、車椅子で変わらず元気に散歩をつづけた。 写真を始めたのは、福岡でリハビリをかさねていくなかで、フウが少しずつ歩き始めた頃だった。フウを写している時、その写真で作品作りをするつもりはなかった。ただ、フウが歩いていく方へ歩いていき、流されるように、そこに現れてくるものを撮った。福岡、大阪、東京、ベルリンで、12年間、私はフウのそばにいて、ただ見つめていたように写真が残った。 後ろ半身を不安定に揺らしながら、前脚でバタバタと宙を漕ぐようにして立ち、全身を波立たせて走る。力の弱い後ろ半身が右に傾き、時々尻もちをついてはまたすぐに立ち上がる。いつも初めてのように目の前の景色にふれて、どんどん遠くへ駆けていった。 フウが亡くなって5年が過ぎた。私たちは、毎日の生活のなかへ絶えず投げだされながら、時間を置き去りにして、だんだん遠くへ離れていって、もといた場所も忘れてしまうのかもしれない。疲れて、ふとふり返って、見えなくなったことのさびしさに気づいて、置いてきたものをまた拾い集める。フウとの時間と残った写真がなかったら、いくつかの失くしていた感覚がいまの自分にはあったと思う。12年間、一緒にいれて幸せだった。 2022年10月 橋本貴雄 ◉橋本貴雄(はしもと・たかお) 1980年熊本県生まれ。2008年、ビジュアルアーツ大阪写真学科卒業。2011年からドイツに渡り、国内外で展示を行う。現在、ベルリン在住。『Kette』より2021年度 写真新世紀 佳作(椹木野衣氏選)。主な展示にグループ展「Unsichtbar」galerie Bild plus(ベルリン、2012年)、「Abjet」Galerie Emma-T(ベルリン、2015年)など。2021年9月写真集『風をこぐ』モ・クシュラ社より刊行。金柑画廊(2021,東京)を皮切りに『風をこぐ To Row the Wind』出版記念展が始まり、LIBRIS KOBACO(福岡、2021年)、スタンダードブックストア(大阪、2022年)、新宿ニコンサロン(東京、2022年)など巡回。 https://www.takaohashimoto.com ーーーーーーーーーーーー 写真集『風をこぐ』 To Row the Wind 橋本貴雄 装丁:岡本健 + 発行:モ・クシュラ 仕様:A5判・並製カバー帯あり・PUR 頁数:342ページ(写真262点、エッセイ2万字) 定価:3,520円(税込) 200…

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広川泰士新作展
あとかた

広川泰士新作展 あとかた

2022年10月6日(木)~23日(日) 木・金・土・日 12:00ー19:00 (最終日17:00まで) ※月・火・水 休廊 広川泰士は、これまで地球の風景や自然、悠久の時間をテーマに宇宙の広がりと数々のスケール感のある作品を発表してきたが、本展は、新型コロナウイルスにより国や地域の移動が困難となった2021年から2022年にかけて制作した作品を展示。このコロナ禍で何かを諦めたり何かを待ち望んだ状態であり、反面、様々なことが加速度的に移りゆく中で広川の内なる時間に変化をもたらしたのか。 ギャラリーという限られた小さい空間で、内なる時間の流れに静かに向き合きあった作品の〝気配〟を感じて欲しい。 「BABEL ordinary landscapes」 (2015年キヤノンギャラリーS)から7年ぶりとなる新作。 ーーーーーーーーー 「想像してみる」 長年の風雨で蓄積した壁の滲み、常に変幻し止まることのない炎、小石、流れる水…… 身近にある対象を写した。 世の中は、陰陽五行(木、火、土、金、水)の循環で成り立っているという説がある。木は火を生じ、火は土を生じ、土は金(鉱物)を生じ、金は水を生じ、水は木を生ず、命の循環のようだ。確かにその通りだと思う。 短命の象徴のように喩えられる「薄羽蜻蛉(うすばかげろう)」、寿命500年とも言われる北の深海に生息する「ニシオンデンザメ」、樹齢何千年の巨樹。世の中の生き物は、種によって天命がある。それでは、命の長さによって時間の感じ方は違うのだろうか? これは想像するしかない。もしかして、それぞれがそれぞれの生を精一杯生き、死に際に〝Life is short〟と叫んでいくのかもしれない。 2022年9月 広川泰士 ーーーーーーーーー 広川泰士(ひろかわたいし) 1950年、神奈川県逗子市生まれ。70年代よりフォトグラファーとして活動を始め、以降、ファッションや広告などの分野で活躍。一方、悠久の時間をテーマに無限の宇宙の広がり、地球の風景や自然を映し出した作品や、環境と人間の存在を問うスケール感のある数々の作品を発表する。世界各都市での個展、美術展への招待出展多数。作品集に『sonomama sonomama』『STILL CRAZY』『TIMESCAPES −無限旋律−』『BABEL』など。 講談社出版文化賞、ニューヨークADC賞、文部科学大臣賞、経済産業大臣賞、A.C.C.最優秀撮影賞、写真の町東川町 国内作家賞など受賞。サンフランシスコ近代美術館、フランス国立図書館、プリンストン大学アートミュージアム、東京都写真美術館他で作品が収蔵されている。

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いろ、かたち
藤川孝之展

いろ、かたち 藤川孝之展

2022年7月7日(木)ー24日(日) 木・金・土・日 12:00ー19:00 (最終日17:00まで) ※月・火・水 休廊 藤川の日常に絵と音楽は欠かせない。しなやかに引かれた線、繊細に重ねられた絵具、作品から〝いろ〟と〝かたち〟が奏でる柔らかな音があふれている。会場では、仮設アトリエを作り、藤川が選曲した音楽が流れ、ペインティングやドローイング、コラージュを制作をします。彼の日常の断片を感じながら展示を楽しんでください。 在廊日には、ポートレイトデッサン会もあります。 詳細は、https://iwaogallery.jp/20220617/         ーーーーーーー  近作を中心に「いろ、かたち」を主とする作品を展示します。 コラージュやドローイング、デッサンは会場にて制作します。 様々なレコードとともに、日々変化する風景をお楽しみいただけたら。                       藤川孝之         ーーーーーーー  藤川孝之(フジカワタカユキ) 1962年大阪生まれ、国立市在住。画家・造形家。84年金沢美術工芸大学油絵卒。卒業後、一年間創形美術学校にて銅版画を学ぶ。96年から3年間パリにて素描を学ぶ。2010年よりアトリエショップ「フジカワエハガキ」を始める。日本各地で個展を開催。水彩画、素描、ドローイングの展示に加えて、開催地にてアトリエを作りその場でも制作。雑誌、書籍、CD等の挿画多数。 http://www.tfujikawa.jp/

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萩原朔美写真展
私がいる。2022

萩原朔美写真展 私がいる。2022

2022年6月9日(木)ー26日(日) 木・金・土・日 12:00ー19:00 (最終日17:00まで) ※月・火・水 休廊 増殖しつづける私、がいる。 本展は、2021年2月に新宿Place Mで開催された「私がいる。」の続編になる、新作を展示します。萩原朔美の朝は〝スマホ散歩〟から始まる。自分の影を撮影し続けている。自撮りだと自分が見ている風景が入らない。それが寂しいから仕方なく影を撮ることにしたと彼は言う。風景の中に居る自分の影は、自分のような他人のような、幻影のようで、妙にリアリティがある不思議な存在である。 今では、自撮りより〝自影撮り〟の方が私は好きになってしまった。萩原朔美 ーーーーーーーーーーーーーー 文化の作り手としての萩原朔美は、自己の矛盾に自覚的な「観察者」であることで、多様な表現を示してきた。おそらくこれほどの多種多様な表現を行為した人は現代にはいないであろう。そんな彼の、今回の作品群=為事をどのように捉えることができるのか、楽しみである。老人が携える現代とのコモンセンス-共通感覚とはどのようなものであるか、それが顕になる展覧会であると思っている。 海老塚耕一[現代美術家] ーーーーーーーーーーーーーー 萩原朔美(はぎわらさくみ) 1946年、東京生まれ。映像作家、演出家、エッセイスト。 母は小説家・萩原葉子。祖父は詩人・萩原朔太郎。67年、寺山修司主宰の「演劇実験室・天井棧敷」で役者・演出家として活躍。75年、雑誌「ビックリハウス」編集長に。現在、前橋文学館館長。多摩美術大学名誉教授、アーツ前橋アドバイザー、金沢美術工芸大学客員教授。著書に『思い出のなかの寺山修司』『定点観測』『砂場の街のガリバー』『死んだら何を書いてもいいわ』の他多数。

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