『flows』を見る/読む
2022年8⽉19⽇(⾦)13:00ー18:00 2022年8⽉20⽇(⼟)13:00ー17:00 「(いくつもの⽣の)流れ」を意図して名づけた、写真集『flows』。本書は、キュレーターの私・⼩⾦沢智が、⽗の死をきっかけに、写真家・吉江淳さんに依頼したたった1⽇の葬儀の記録を、アートディレクター・平野篤史さんに写真集として編みたいと相談し、制作した写真集です。 2021年12⽉、私は、きわめて個⼈的であり撮影することが決して⼀般的ではない⾁親の死を写すこと、そしてその⼀連の光景を写真集として編むことを望んでしまいました。キュレーターとして展覧会のカタログを制作したことはあっても、写真集を作ったことがあるわけでもなく、ましてや写真の専⾨家でもない私がこのような⾏動に⾄ったのは、⽗の最期を何かしらの形で残さなければならないという、ほとんど衝動的で、強い欲望のあらわれに違いありません。時間が経っても、いまだその思いの正体をはかりかねていますが、結果、できあがった写真集は、私個⼈の感情を離れ、亡き⽗のための1⽇に⽴ち会ってくださった⼈たちと、めぐる⾵景がおさめられた、どこか透明感のある不思議な⼀冊となりました。 本書は、⾮売品の私家版として制作し、発表を前提として作ったものではありません。ただ、家族・親族だけではなく、友⼈・知⼈に⾒てもらうなか、死という誰もがいつか必ず直⾯することに対して、あるいは、何かを作り、形として残すということに対して、この写真集を機に、さまざまな対話ができるのではないかと考えるようになりました。このたび、iwao gallery からご提案・ご協⼒をいただき、ギャラリー内にて『flows』を⾒る/読む場をつくらせていただきます。展覧会とも少し違う、2 ⽇間の会期では、写真集を会場に置き、⼿にとって⾃由にご覧いただくとともに、この写真集についてのトーク、特別なライブも実施いたします。ご興味がございましたら、どなたさまでも、ぜひご来場・ご参加ください。 (⼩⾦沢智) *会場には、『flows』を数冊置かせていただき、ご覧いただきます。お⼿に取り、ご⾃由にご覧ください。 *本会は展覧会ではありませんが、写真家・吉江淳さんの写真を数枚飾らせていただく予定です。 *会場での撮影は、写真集の表紙・裏表紙のみに限らせていただき、本⽂の撮影はプライバシーの観点からご遠慮ください。 主催:⼩⾦沢智 協⼒:磯辺加代⼦(iwao gallery)、岡安賢⼀(岡安映像デザイン)、⾕⼝昌良(空蓮房)、野⼝忠孝(ターデス株式会社)、前野健太、平野篤 史(AFFORDANCE)、吉江淳(吉江淳写真事務所) ーーーーーーーーーーーーーーーー 写真集『flows』 著者:⼩⾦沢智 写真:吉江淳 アートディレクション・デザイン:平野篤史(AFFORDANCE) ◉⼩⾦沢智(こがねざわ・さとし) キュレーター/東北芸術⼯科⼤学芸術学部美術科⽇本画コース専任講師。世⽥⾕美術館、太⽥市美術館・図書館の学芸員を経て2020年4⽉より現職。1982年、群⾺県前橋市⽣まれ。2008年、明治学院⼤学⼤学院⽂学研究科芸術学専攻博⼠前記課程修了。「現在」の表現をベースに据えながら、ジャンルや歴史を横断するキュレーションを得意とする。近年の主な仕事に、「都美セレクション グループ展 2022 たえて⽇本画のなかりせば:東京都美術館篇」(2022、東京都美術館)キュレーション、開館3周年記念展「HOME/TOWN」(太⽥市美術館・図書館、2021)ディレクションなど。 ◉吉江淳(よし…