PARADISE TEMPLE
管 啓次郎 詩集×吉江 淳 写真展

PARADISE TEMPLE 管 啓次郎 詩集×吉江 淳 写真展

PARADISE TEMPLE
管 啓次郎 詩集×吉江 淳 写真展
2022年2月2日(水)ー6日(日)  
水・木・金 15:00〜20:00  土・日 12:00〜18:00 

「詩を土地に返したい」という管啓次郎の『犬探し/犬のパピルス』以来2年ぶりの新詩集。全球的な歩行と彷徨の果てに生まれたページ風景の荒涼とした美しさは、どんな日本語詩にも似ていない。吉江淳の写真連作「出口の町」への注釈詩を含む、特異な思索の世界へ。詩集『PARADISETEMPlE』(発行:Tombac 発売:インスクリプト)刊行を記念して、関連書籍の展示と吉江淳写真展を開催します。
※会場にて、関連書籍(管啓次郎詩集、吉江淳写真集など)を販売いたします。

[管 啓次郎 朗読会(予定)] 主催:Tombac
2022年2月5日(土)19:00~20:30
現在の新型コロナウイルス感染の状況を鑑み、無観客収録にいたします。会期終了後に無料配信いたします。管啓次郎と吉江淳のアーティストトーク、そして、スペシャルゲストも登場!?楽しみにお待ち下さい。
※詳しくは随時SNS等でお知らせします。

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Artist Statement

出口の町
愛着のない地元を撮り続けている。上毛三山へと続く手間、ここは関東平野の吹き溜まりのような地域で、大きな自然も都市的光景もなく、だらりとした半端な景色が広がっている。高速道路や国道などの幹線道路からはポンプのように毎日様々なものが押し出され、その周囲では人工と自然、新しいものと古いもの、中心的なものと局所的なものの両義性が入り混じる汽水域のような境界が見え隠れしている。
一方、町の端には利根川が流れていて、冬にはその大いなる流れを追い越すように、山からの強風が吹き抜けていく。川原では人工建造物を覆い隠そうとしていた草木が一斉に枯れ果て、時を止めている。町からは我々の消化しきれなかった澱が、生活排泄物とでもいえる代物として投棄され、枯れた草木の間から見え隠れしている。そこは県境であり、町の最も低い場所でもある。
故郷の川と町、別物として撮ってきたそれら風景は、一つの連なりとしてあるのではないかと感じ始めている。
吉江 淳

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管 啓次郎(すが けいじろう)  
1958年生まれ。詩人、批評家、明治大学理工学部教授。反=旅行記『斜線の旅』(インスクリプト)にて読売文学賞受賞。過去7冊の詩集は、中原中也賞・萩原朔太郎賞・高見順賞・鮎川信夫賞・H氏賞などの最終候補となっている。エドゥアール・グリッサン『<関係>の詩学』『第四世紀』(いずれもインスクリプト)など翻訳も多数。2021年、14名による管啓次郎論を集めた英文の論集Wild Lines and Poetics Travels (Lexington Books) が出版された。

吉江 淳(よしえ あつし) http://yoshie-atsushi.net
1973年生まれ。写真家。故郷である群馬県を中心に町と川を被写体として写真を撮り続けている。写真展多数。2021年太田市美術館・図書館にて小金沢智氏のディレクションにより美術家・片山真理、詩人・清水房之丞との三人展を開催。写真集『地方都市』(蒼穹舎 2014年)『川世界』(salvage press 2016年)写真冊子『出口の町』vol.1 〜6(2018年より不定期刊行中)がある。